
増やせない時代の財テク技術
日本での利息は事実上、0%見たいなものですから、どんなに貯蓄があっても、銀行預金なんかに頼っていては、金はちっとも増えません。おまけに金融機関の破綻もざらですから、下手に銀行に預けてたりすると、すべて失いかねません。
だからといって、株に手を出して失敗するのも、これまたよくあることですから、手を出さないほうが無難だったり。
こんな時代には、少ない金をいかに効果的に利用するかが、非常に重要です。
稼ぎと貯蓄は別
アメリカ人やオーストラリア人は貯蓄しないとよく言われますが、外国人とともに仕事をした経験のある人、あるいは海外で外国人の生活を見ている人は、同意する人が多いのではないでしょうか。
日本のように給料が月払いでなく、週払いや二週間ごとの払いのため、目先の金銭感覚しか持っていないからかも知れません。
アメリカでは、給与は普通、週払いです。
オーストラリアでは、給与は二週間に一度。普通、水曜日に銀行に振り込まれます。ですから、使えるのは木曜日。商店もその辺はよく知っていますから、木曜日だけは、夜9時まで営業していて、お客を待ち構えています。
うちの女房方の親戚がダウンタウンでセブンイレブンを経営しているのですが、この給料日前になると、とても面白いことを経験するそうです。
オーストラリアでは、EFTPOSといって、買い物の際に銀行のキャッシュ・カード(クレジットカードではできません)で支払いをすると、自分の口座から現金も一緒に引き出すことができます。口座の残高が20ドル未満だとATMを使えないため、この時期、EFTPOSを使って、現金を下ろそうと買い物するお客が増えるそうです。
それも、見るからに大企業の幹部クラスの人が来て、ガムなどの安い商品を買っては、EFTPOSで10ドルをおろしたいと言うそうです。
ところが、10ドルの引出しは決済が下りず、9ドルで試してみたり、8ドルで試してみたりと、5ドルでやっと決済。他人の懐具合が見えて、面白いと言っていました。
金がなくても知恵と発想で勝負
金がないところから生まれた小説があります。
「シャーロック・ホームズ」の探偵小説で有名なアーサー・コナン・ドイルは、失業した父親がアルコール依存症に陥り、貧困の家庭から医者を志しました。学費を捻出するために捕鯨船に乗り込んでバイトしたりして医者にはなりましたが、医者としての商売が繁盛せず、別の収入源を求めて小説を書き始めました。1880年代のことです。それが、ミレ二アムを迎えた現在ですら読まれているほどの作品となったわけです。
また、最近、世界中でブームの「ハリー・ポッター」の著者J.K.ローリングも、小説が出版される前は、安アパートで暮らし、幼い娘を抱えて生活保護を受けていたバツ一のおばさんです。ハリー・ポッターは、赤ん坊を抱えて離婚し、職もない貧困から発奮して創作された子供向けのファンタジーなのです。それが今では、お城に住んでいるそうですから、凄いものです。
儲かっていないコンサルタントが本を書く
出版業界に詳しい人は、儲かっているコンサルタントが本を書くことを疑問に思ったりします。儲かっていたら、本業が忙しくて本など書く非利益的な暇はないはずだからです。
本を書くことで得られる利益は、一般の人が思っているほど良くありません。知人のミステリー作家の話では、書き下ろしで小説を一冊刊行しても40万円にならないそうです。大手の雑誌に記事を一本書くより安い金額ですが、マイナーな出版社だとなかなか印税を支払ってもらえないこともあるとか。売れない作家と思うかも知れませんが、テレビのミステリー番組を見れば、彼が原作者であることはよくあるし、その手のミステリー作家の協会に属しているほどの人です。
書籍の印税は、日本では定価の10%が基準ですが、大手出版社では5%だったりします。また、コミック本は定価の5%が基準です。
この定価のパーセンテージを発行部数、あるいは実売部数に乗じて支払う印税が決まります。ですから、百万部とか売れれば印税ががっぽりなんてこともありますが、ハードカバーの場合、実態は数千部売れるかどうか。一万部に達すればいいほうです。
例えば、定価千五百円の本を印税10%で書くと、五千部売れても75万円です。5%だとわずかに37万円強。儲かっているコンサルタントにとっては、出版社を探す手間隙、執筆、出版までの期間を考えたら、完全なロスです。
これは日本での場合ですが、アメリカなどもっとシビアです。
印税が定価の10%取れることはまずありません。4%から7%が相場。定価が10ドルのペーパーバックを一万部売っても、4,000ドルにしかならなかったりするわけです。
コンサルタントが本を書く本当の理由は、他にあります。パブリシティです。こうしたコンサルタントの本には、必ず、自分の事業の宣伝がされています。読者をセミナーに参加させ、商品を買わせることで儲ける目的があるから、出版による非利益は無視できるわけです。業界ではこうした本を広告本とかサブリミナル本とか呼んだりすることも。
コンサルタントの本は、出版する方からすると比較的安全な商売です。一種のハウ・ツーですから著者の知名度は必要ないですし、対象読者が初心者ですから内容も難しくありません。また、一度も本を出版したことのないコンサルタントにとっては、なんとなく有名人になったような気分も味わえると言う仕組みです。
「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」
これらはクリント・イーストウッドをスターにし、イタリア西部劇ことマカロニ・ウエスタンを流行らせた映画です。英語では、「No Name Trilogy(無名のガンマン3作)」などといわれます。原題は順に、「A fistful of dollars(一握りの金)」、「For a few dollars more(もう少し多くの金のために)」、 「The good, the bad, and the ugly(いいやつ、悪いやつ、醜いやつ)」。
小学生の頃に初めて見たときは、クールなコスチュームと音楽が気に入りファンになりました。
しかし、最近になって見直してみると、そこには面白いテーマがあることを発見しました。三作とも金がテーマなのです。「一握りの金」では、文無しの流れ者ガンマンが、対立する二つの勢力を利用して両者から金をせしめます。「もう少し多くの金のために」では、賞金稼ぎのガンマンがお尋ね者をしとめて賞金を手にします。しかし、このお尋ね者は銀行強盗で大金を盗み、その金を取り戻すと銀行からも謝礼が出るという寸法。賞金稼ぎはお尋ね者を片付け、金を取り戻し、賞金と謝礼の両方をもらいます。
「いいやつ、悪いやつ、醜いやつ」では、主人公は同じく賞金稼ぎですが、お尋ね者を相棒にして利用。このお尋ね者を保安官に引き渡して賞金を手にしては、絞首刑になる場で遠方からロープを狙撃して逃がします。そしてさらに賞金の額が上がったところで、再び引き渡して賞金を手に。そして再度逃がしてと、お尋ね者を投資に使っているのです。賞金のかかったお尋ね者を殺してしまい、一度だけの金に換金するのではなく、再利用することで何度も稼ぐわけです。
どのストーリーも、うまく立ち回るといい金儲けが出来るのがテーマ。そういう目で見ると、まじめな西部劇として見るよりも、ビジネスに役立つ、発想に役立つ、コミカルな作品です。
海外預金はいいか? 悪いか?
利率の高い外国の金融機関に預ければ、日本の0.01%預金よりもよさそうですが、実態をよく探ってみると、いろいろ気をつける点があるものです。
一番簡単なポイントが、日本人の我々は日本の銀行のビジネス形態に慣れきっていますが、海外の銀行はその形態が違うことです。例えば、日本では銀行に口座を開いて利用していても、基本的には無料であることが常識的にと言おうか、習慣的に事実です。
しかし、外国では、口座の維持費と称して月額料金を払わなければなりません。これは銀行によって、額が違いますし、形態も異なります。数は少ないですが、小さな銀行は維持費を取らないところもあります。
例えば、預金額に関係なく、月額10ドルとか。あるいは、一定の金額以上の残金があれば、無料だけれども、それ以下になると、口座から月額10ドル差し引かれるとかです。また、6ヶ月間以上、口座からの出し入れがないと無料になったりと、金融機関によって様々です。
また、日本のように預金通帳を使うということがまずないので、記録が一目で分からないし、利用明細は、毎月、あるいは、3ヶ月毎などと言うように郵送されて来るので、非常に不便です。
この他にも、預ける金額によって利率が異なります。何十万円程度の小口だと1%にもならなかったり、百万円以上であれば6%くらいであったり。
これは、定期預金も同じ事です。特に、定期預金の場合は、利息の受け取り方によっても利率が違ったりします。複利にするのか、あるいは3ケ月ごと、6ケ月ごと、1年ごとに利息を受け取るのかで、利率が異なるわけです。幸い、定期預金の場合は、口座を持つのではなく証書をもらうだけなので、口座の維持費はありません。
こうしたことですから、海外では、よっぽど多額の預金でなければ、金融機関に預けても増えないどころか、下手に預けていると逆に減ってしまったりするのです。
こんなに税金取るの!
私はオーストラリアの永住権を持っていますから、自由に仕事できます。税金は日本の感覚だと信じられないくらい高いですね。依頼されて引き受けたバイトでたかだか1000ドル(6万円とか7万円の金額)稼いだら、手取りは何と700ドル! 30%も差し引かれていたのです。オーストラリア市民と同様の税率が適用されていますが、それでこれです。
外国人など、住人としての税率が受けられないと、税金はより高くなります。また、市民でも、TFNと呼ばれる、納税者番号を雇用者に申告しておかないと、一律47%も源泉徴収されるとのこと。日本同様、累進課税のため、本筋では税率は一律ではないですし、私のような時給の高いプロフェッショナル?の場合はなおのことらしいのですが、驚いたものです。
女房の父親は、
「30%なんかいい方だ。6万ドル超えると47%も税金取られるんだぞ」
と、自慢? してました。
正確には、6万ドル(1AUドル65円換算で390万円)を超えた所得部分にかかる税率が47%です。
5万ドルから6万ドルの部分(同様に325万円から390万円未満)にかかる税率は42%、2万ドルから5万ドルまでの部分(同様に130万円から325万円未満)にかかる税率は30%、というように、6万ドルすべてに47%が課税されるわけではありません。
とは言え、日本の感覚からしたら、とんでもない税率です。日本なら、330万円以下の所得は、税率10%です。
ただし、これもよく内訳を見てみると、日本なら、年金、健康保険、雇用保険などの社会保険を別途払っています。
オーストラリアでは年金に相当するスーパーアニュエーション、通称、スーパーが、雇用主指定の金融機関(自分で指定もできますが)向けに税金とは別に天引きされるだけで、健康保険、雇用保険は存在していません。
健康保険に近いもので、メディケアというものがありますが、これは保険ではなく、オーストラリア市民や永住者であると誰にでも支給されます。保険のように、掛け金を払うわけではありません。
また、雇用保険は全くありません。無職手当てや生活保護手当てがありますが、これも、メディケア同様、掛け金なし。オーストラリア市民や永住者であると誰にでも、条件に一致すれば、支給されます。
こんなシステムですから、仕事をしておらず税金を全く納めていない人間の医療費や無職手当て、生活保護金は、働いている納税者が肩代わりしており、必然的にオーストラリアの税金がとても高いというわけです。
年金も隠れた税収源
スーパーアニュエーションこと、スーパーは、無条件に金融機関向けに天引きされます。私の場合、収入の7.4%が金融機関へと預けられました。
「海外預金はいいか?悪いか?」で、外国の金融機関は口座維持費などの料金を徴収することを説明しましたが、これは、スーパーにも当てはまります。ですから、年額いくらというように手数料を払わされます。
その上、スーパーにも課税されますから、毎年送られて来る明細を見ていると、ちっとも残っていない印象を受けます。むしろ、他人の懐に回っています。
ここでも、税金、手数料、はたまた保険料という名目で、かなり高い率差し引かれているからです。
スーパーとして天引きされたAU$577に18%の$106程度がさらに引かれ、残ったのは$479。稼ぎがちょっと増えると率も一挙に上がり?、AU$700程度に31%の$221が引かれてましたから、残ったのは、わずかに$484。ですから、スーパーに合計$1277が回っているはずなのに、実質は$1000にも満たないのです。
誰のための年金だか分かったものじゃありません。
また、民間の金融機関に預けているわけですから、金融機関の破綻ですべてを失ってしまった人もいるくらいです。つい最近、私のスーパーが預けられている金融機関が危ないというニュースが流れ、私も少ない金額ながら心配したものです。こんなことですから、あまりいいシステムとはいえないようです。
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