
ゴールド・コーストの投資物件は詐欺がいっぱい
日本でバブルのころに不動産投資で失敗した方は、不動産購入には注意深くなっていることと思います。アメリカ、オーストラリアでは、今、不動産投資がブームになっていますが、当然、気をつけなければいけません。
居住目的で家を購入する場合が、ローカルの不動産屋を利用することになるのに比べ、投資の場合は、遠方の開発業者などが相手になります。ですから、物件の査定もしずらいですし、相場よりかなり高い値段で買わされたりする事件が頻繁です。
オーストラリアでは、こうした投資物件の吹っ掛け販売はMarketeering(マーケティーアリング)と呼ばれていて、クイーンズランド州のゴールド・コーストは、オーストラリア国内だけでなく世界的に悪名が高いところです。
地元の人間は現地事情を知っているため買わないのが分かりきっていますから、遠方の投資家を対象にしています。例えば、ゴールド・コーストなどのウォーターフロントの投資物件を無料で現地視察ができるなどと称して、ニュー・サウス・ウエールズ州やヴィクトリア州、さらには海外でまで宣伝するわけです。
こうした投資物件の場合は、弁護士から宅地鑑定士、場合によってはローンを融資する金融機関までが一枚かんでいますから、購入手続きがスムースに運んでしまうだけに怖いものです。
これだけうまく仕組まれていますから、紹介された弁護士の言葉すら信じてはいけません。自分で信頼のおける弁護士や業者を使わないと殆ど100%だまされます。また、価格的な査定も、開発業者の価格は相場より30,000ドルから60,000ドルは高いといわれていますから、紹介された業者を使わずに独自で行う必要があります。
ゴールド・コーストのマーケティーアリングは、1990年代前半から栄え、2000年過ぎてからやっとクイーンズランド州政府が規制に乗りだしていますが、今でも、被害が絶えないそうです。
オーストラリアの物件購入は外国人には制約があるにもかかわらず、海外の投資家も数多く被害者になっていますから、勉強不足の投資家がいい鴨にされているようです。
もちろん、日本の投資家や企業もその被害者に名を連ねています。
近くの投資家より遠くの鴨
前項のマーケティーアリングは、ゴールド・コーストに限らず、ニュー・サウス・ウエールズ州シドニー、ヴィクトリア州メルボーン、クイーンズランド州ブリスベンなどの都市、そしてXX・コーストと名のつく沿岸地域でも行われています。例えば、クイーンズランド州には、悪名高いゴールド・コーストの他に、サンシャイン・コーストと言うところもあり、ここもマーケティーアリングのメッカになりつつあります。
こうしてみるとクイーンズランド州には要注意地域が多いわけです。
ではなぜ、クイーンズランド州に多いのでしょう。
それは、スタンプ・デューティが安いので買い得な印象を受けることと、リゾート地が多いことにあります。
例えば、250,000ドルの家の場合、クイーンズランド州に購入すれば居住の場合の税額は2,500ドルですが、ニュー・サウス・ウエールズ州では7,240ドルもかかります。
他州の投資家がクイーンズランド州の不動産投資に引っかかる理由の一つが、ここにあります。税金が安いから、投資にいい、と思わされてしまうわけです。
さらに物件査定にクイーンズランド州を訪れた旅費は経費として計上できるから、旅行を楽しんだうえに投資ができてこんないいライフスタイルはない、と売り込むわけです。特にゴールド・コーストは、オーストラリアの中でも有名なリゾート地域ですから、他州の人にとっては両得のイメージが植え付けられるわけです。
しかし、実際には、物件購入の旅費はオーストラリアでは経費として認められませんし、居住ではなく、投資ですから、クイーンズランド州に購入してもスタンプ・デューティは250,000ドルの家の場合7,225ドルかかります。
それでも、購入の契約をしてしまえば後の祭り。税金がずっと高いじゃないかと文句言っても、税金は国に支払うわけで、売買契約には関係ありませんから、解約できません。
また、旅費も経費として認められないことを、ずっと後になって税務署から知らされたりするというわけです。
こうして、投資のつもりで購入したものが、お荷物になり、仕方なく売ろうとすると、今度は、購入価格よりさらに安い値段でしか売れなかったりして、初めてマーケティアリングの鴨にされたことに気づくわけです。
ですから、開発業者が投資にいいと売り込む物件は要注意です。特にネガティブ・ギアリングとか、リファイナンス、頭金なし、OPM(他人の金を使う、つまり借金して物件を買うこと)という言葉を用いる場合は、100%マーケティアリングだとまで言われています。
この他、ブームに講じて、不動産投資で大金持ちになる方法などと称したセミナーも多数あります。その大半は、多額のセミナー料を取っては、実用性のない空論を教えて、不動産投資に興味を持った素人を鴨にしていますから、様々なかたちで不動産投資の被害者が出ているというわけです。こうしたセミナー開催者は、当然、本も出版していますから要注意です。
また、わずか一、二年前にテレビでよく宣伝していた宅地開発業者が、最近コマーシャルをしていないのでどうしたのかと思うと、欠陥住宅で多数の消費者から起訴され、業務停止を宣告されていたりもしています。
日本のバブル期を教訓に、不動産投資には慎重な対応が重要です。
タイミングとロケーションでうまい投資
庶民の我々にとって、マイホームは人生で最も高額な買い物ですが、ただのマイホームとしてではなく、資産としてみた場合、面白いように利用できるのです。
私は、オーストラリアに22万ドルで家を買いました。その家、1年半後には30万ドルと査定されたのです。つまり、1年半で8万ドルの資産増。換算レートがAU1ドル79円で、8万ドルは640万円ほど。
しかし、1年半前は円高で、購入時の円レートがAU1ドル65円。つまり約1,430万円で買ったわけです。その間に円安でAU1ドル79円になっているから、30万ドルは約2,400万円。不動産の価値が上がり、オーストラリアドルの価値が上がり、と二重に増えてくれたため、家が1年半の間で1,000万円を生み出してくれたわけです。
その半年後(つまり購入から2年後)には、さらに物件の価値が上がり、なんと40万ドル。AU1ドル75円に変動はしていましたが、3,000万円になりました。2年で2倍になったわけです。
ぼろ儲けのようですが、実は事前調査をし、計画的に行ったこと。時代背景をご説明しましょう。
当時、オーストラリアは不景気で、家を買う人が減っていたため、建築業界が低迷していました。また、GSTという日本でいうところの消費税が導入されることにもなっていました。税率は10%と高額。日本での消費税の導入例を見ても分かるように、以後、不況になるのは目に見えています。オーストラリアの経済が下降するのは予測されていましたし、建築業界がさらに悪化することは必須でした。
そこで、政府が建築業界を活性化させようと、初めて家を購入する人には、7,000ドルを援助するという措置を取り始めました。
また、しばらくして、予測された経済下降が肌で感じられるようになり、利率も下がり始めました。その一年後、利息がさらに下がり、政府の援助も14,000ドルに倍増されました。
こうして、オーストラリアに不動産ブームが始まり、初めて家を購入する人だけでなく、投資として物件を購入する人も増えてきました。株式市場の低迷から、アメリカ同様、不動産に投資先を変えた人が多かったからです。
その後すぐ、オーストラリアの不動産ブームはさらに大きくなり、物件の値が上がりました。一方、私が買ったときに14,000ドルだった政府の援助は10,000ドルに下がりました。さらにその後、元の7,000ドルにまで下がりました。政府がてこ入れしなくても市場が自立した形です。
オーストラリアドルと円の為替についても、前もって過去数十年分調べていたために下がる時期を予測していました。私が購入したときには、AU$1=65円まで下がっていましたが、もう一ヶ月待てれば、なんと59円まで下がったほど。
ちなみに物件探し、為替分析を始めたときには、AU$1=78円程度。物件購入までの期間は、1年強。
追記-その後、オーストラリアの不動産ブームは下火になったが、価格は、大きく下落せずにほぼ現状維持。一方、為替レートは、AU$1=106円までうなぎのぼり。購入から六年後の40万ドルは、4,200万円程度にアップ。
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