留学、ホームステイ、ワーキングホリデーは、観光ビザの延長版

   留学、ホームステイ、ワーキングホリデーに共通する点は一つ。どれも、その国に、所得税以外で金を落としてくれることです。つまり、観光ビザと同じ観念です。
 ワーキングホリデーなら、働けるじゃないかと思う人は、勉強が足りません。
 ワーキングホリデーも一定額の資金を持参するのが原則です。つまり、外貨を落とすことが本筋です。仕事できると言っても、職種は規定されているし、実質上、短期バイトですから、賃金は安いものです。だから、途中で金に困って、親から仕送り受けたりです。
 留学生でも、国によっては、申請すると週20時間までというような限定つきで、バイトが許可されたりします。アメリカは、かなり厳しく、申請してもまず許可されないそうですが、オーストラリアはかなり簡単です。
 ただし、出席状態が学校から移民局に報告されていたりするので、サボってばかりいると、学生ビザが取り消される危険があります。
 とは言え、学校によっては、留学生で金儲けしているのが、あからさまなところもありますから、学校に行っても何も学べなかったりします。
 ひどいところは、クラスの全員が留学生かと思えば、先生まで海外から来た留教師? 
 おまけに、
 「授業はろくすっぽしないし、生徒はもらった教材で自習するだけだし。英語が全然学べない」
 と、そんな留学になってしまった人が、落胆してもらしてました。(私に言わせると、語学留学だったらオーストラリアに来ることがそもそも間違いですけれど。)
  こんなことですから、失望して勉強しないし、学校に行かない人も大勢います。それでも、出席日数が足りないとビザに影響するので、最低日数だけは行ったり。
 最初はまじめだった女の子が、
 「試験に受からなくたって、セクシーな格好して時々学校行って、授業料だけ払えば、単位もらえる」
 などと、落ちぶれてしまいました。かわいそうなものです。留学しなければ、もっといい人生送れてたかも知れません。
 こんな環境ですから、数年間、留学していても英語が全くしゃべれないのも当然。大学生が、quarter程度の単語を読めなかったりしますから恐れ入ります。

落第でも進級できる学校制度

 外国に永住する場合、長い目で見ると子供の教育や将来まで考慮に入れなければなりません。自分が海外に脱出するのは良いにしても、子供にとっては必ずしも良いこととは限らないからです。
 オーストラリアの授業は日本同様、土日は休みです。しかし、学校は基本的に1月下旬から始まり、学期は年に四つ、二ヶ月程度通うと二週間程の休みとなります。夏休み(といっても、北半球とは季節が逆ですから、12月から始まります)は学校によって一月半から二ヶ月あります。ですから子供達は暇だらけ。
 学校には、統一されたテキストがなく、市販の書籍を代用したり、教科によってはテキストは全くなく、授業前にプリントを配ったりするだけ。それもA4サイズの用紙1ページに2ページがコピーされているような貧しさです。また、テキストは貸与されるのですが、家に持ち帰ることができないこともあったりします(当然、レンタルとして別途に教材費を取られているのに)。
 こんなことですから、予習はまず出来ないし、授業も教えることを目的としていないので、生徒は事実上、自習するだけだったり。
 カリキュラムも、結構、こじつけで作っているようなものが多く、実は、先生も大変なのです。そのため、公立学校では先生のストライキもたまにあります(アメリカのTV番組Simpsonsで、貧しい小学校を皮肉っているが、ここではジョークではなく、現実)。
 学校の授業では何の意味があるのか分からないような無駄なことを多々やっています。例えば、Home Economics(家庭科に相当)の教科では、フライパンや鍋の絵を見せて、「これは何に使う道具ですか」などとやっています。小学校ならいざ知らず、これが中学3年生(オーストラリアでは9年生と呼びます)ですから、恐れ入ります。
 こんなことですから、日本などの教育レベルの高い国から転校してきた生徒は、あきれています(と同時にあまりに楽で喜んでもいますけれど)。
 ところが、高校生になるといきなり、不親切な上に400ページもある分厚い教科書を渡されたりしますから、生徒はとてもついていけなかったりします。
 段階的に積み重ねるという教育カリキュラムが徹底していないようです。
 さらに、日本やアメリカでは考えられないことですが、高校あたりになると落第点でも進級できたりします。これは、オーストラリアの教育制度に理由があります。
 オーストラリアでは、高校までの教育は各州の管轄です。州によっては大学に入学する際に問われる成績、問われない成績があり、そうした単位のとり方によっては、落第点でも進級が可能となって来るのだそうです。日本の学生からみればうらやましく思えることでしょう(実は日本からオーストラリアに留学する人が多い理由の一つはこれなのです。ただし、どこの州のどこの学校でもこういう仕組みではありませんから、安直に留学しようと考えないことです)。
 こんな適当?な学校環境で12年間すごした後、いきなり、社会に放り出され、高失業率に直面するのですから、若者はなすすべもなく大変です。教育機関がはやるところは、就職口がないところが多いものですが、オーストラリアも同じです。ですから一次的に逃げても、高い授業料のわりにあまり役に立たないわけです。
 私も、英語を含めて、子供の教育をオーストラリアで受けさせていいものかと、将来を心配しています。  

学校教育の意義を問う画期的な大学も登場

 オーストラリアでは落第でも進級できることもあると書きましたが、それで学校を卒業できるのか、大学へ行けるのかと不思議に思うことでしょう。答えは推して知るべし。

 最近、大学の入学資格をもたない人も入学できる大学(聴講生ではありません)も登場し、立派にユニバーシティの名前で宣伝しています。一言で言えば、高校を卒業していなくても大学に入学できるわけです。



 








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